BUHIXの日記

サッカーやJリーグについて書いたり、読書や旅行について書いたり。

【感想】フットボール批評 issue 17

 

 「前号を買ったし、また買ってみようかな」くらいのノリで何となく買ったんですが、面白かったです。やはり専門誌の情報には値段なりの価値があるなと思います。

 以下、印象に残った記事とその感想を書き留めておきます。

 

武田砂鉄のコラム

 サッカー選手が自己啓発本を出すのって胡散臭くね? ていうか試合後のインタビューも本当は要らなくね? というお話。短いコラムなのですが、かなり共感しました。

 私も常日頃から「試合後のインタビューって何のためにあるのかな??」と疑問に感じています。個人的な考えを言えば、ぶっちゃけハーフタイムの監督インタビューも要りません。

 短い時間では大したことを伝えられませんし、試合が終わったばかりの状態で(あるいはまだ試合中であるハーフタイムに)冷静に考えをまとめろっていうのも無理な注文ですよね。当たり障りのない定型句を言うのが関の山です。

 で、サッカー選手の中には定型句を言うのが下手な人もいる。そういう選手は「態度が悪い!」だの何だの言われて、叩かれたりする。正直、下らないなぁと思います。無理やりインタビューしない方が選手もサポーターもお互い幸せなのではないでしょうか。

 まあ「サポーターあってのプロなんだから、サポーターに生の声を聞かせるのも仕事のうちだ」という理屈も分かるのですが……。

 

 私はこの筆者(武田砂鉄さん)を知らなかったのですが、著書の『紋切型社会』は聞いたことある気がします。新進気鋭の方みたいですね。

 

乾貴士インタビュー

 一番面白かった記事はこれです。聞き手は小澤一郎さん。

「海外と日本はどう違うか」というような抽象的な話ではなく、守備戦術のかなり具体的な話をしています。乾(SH)が一列後ろの選手(SB)にどんな風にマークを受け渡すか、その判断をどう行うのか、といったことです。写真を使った解説もあり、分かりやすいです。

 

風間八宏インタビュー「受ける」「外す」

 前号から続きが気になっていた記事。個人的に監督としての風間氏の手腕にはやや疑問を感じますが*1、語り口には引き込まれるものがあります。解説者(伝導者?)として非常に優秀な方です。

 今号で最も印象的だったフレーズは出したら寄れ」です。パスを出したら、出し手は受け手の近くまで走れ、という意味ですね。別段珍しいことを言っているわけではないのですが、なぜか私は無性に感動してしまいました。「パス&ゴー」とか「出し手がすぐサポートに行け」とか横文字を使った表現よりも「出したら寄れ」の方が分かりやすいですよね。

 風間氏はトラップという言葉も好まず絶対に「止める」と言いますし、おそらく意図的に日本語だけを使ってサッカーを再解釈しようとしているのでしょう(違ったらすいません)。独特の言い回しは時に「風間語」と揶揄されたりもしますが、いわゆる「サッカーの日本化」ということについて真剣に考えておられる方なのだと思います。

 

川原元樹インタビュー

 FC岐阜のGKコーチへのインタビュー。最も面白かったのは、ボールがどこにあるか(シュートを撃つ角度があるかどうか)によって最適なセービングの動作も変わる、という話です。具体的に言うと、セービングの動作は

  1. 立ったままの状態で手足を伸ばしてセーブ(スタンド)
  2. 倒れ込みながら手足を伸ばしてセーブ(フォール)
  3. 思いきり跳んでセーブ(ダイビング) 

 の3つ。ボールがサイドにある時はシュートを撃つ角度がないから、スタンドで十分。ボールがゴール正面に近づくにつれてフォール、ダイビングが必要になる。必要なセービング動作が変われば予備動作も変わるし、キーパーがボール保持者に詰めるべきかどうかも変わってくる……と、まあそのような話でした。

 岐阜サポの皆さんは「いまビクトルは何しようとしてるかな? フォールかな? ダイビングかな?」と考えながら観てみると試合がより楽しめるかもしれません。

 

フットボール批評issue17

フットボール批評issue17

 

 

紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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*1:名古屋を率いて自動昇格圏に入れないというのはねぇ……。