BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

J2第17節(モンテディオ山形戦)の結果と感想その1

 

 1-1で引き分けでした。最後に勝ったのが5月3日の群馬戦なので、これで1ヵ月間勝ち星がないことになります。

 勝てないとは言っても2分1敗くらいのペースで来ているので、まあ悲観することもないかなと思います。新たなレギュラー争いが発生しそうだったり、初ゴールを決める選手がどんどん出てきたりと、チームとしてそこまで停滞している感じは受けません。

 

山形はいかにして流れを取り戻したか

 嬉しい話は後に取っておくことにして(笑)、先に相手の話をします。前半に押されていた山形が後半の立ち上がりから一気にペースを掴んだのはなぜでしょうか。

 端的に言うと、前からどんどんボールを奪いに来たからです。これはスタンドから観ていてすぐに分かる変化でした。それからこれはリアルタイムでは気づかなかったことなのですが、山形はシステムを変更してきたそうです。3バックを4バックにしてきたとか、中盤がダイヤモンド型になったとか言われています。

 映像を観直しながら考えたのですが、山形はほとんどマンマークで岐阜のビルドアップを妨害しにきたようですね。システム変更もマンマークという目的に沿って行われたのでしょう。

 岐阜のフォーメーションは4-3-3です。CB2人に同数でプレスをかけるには2トップにしなければいけませんし、アンカーの庄司とインサイドハーフの2人もマンマークで見ようと思えば中盤は自然とダイヤモンド型になります。そういうわけで中盤ダイヤモンド型の4-4-2になったのだと思います。

 

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↑岐阜は4-3-3(CB2人、アンカー1人、インサイドハーフ2人)なので……

 

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↑それをマンマークすると、こんな風に中盤がダイヤモンド型の4-4-2になる。

 

岐阜も対応できていたはずなのだが…… 

 対戦が2巡目に入る頃には、どこもこんな風に対策してくると思います。するとこれから大木サッカーは苦しくなっていくのでしょうか?

 しかし岐阜にも「再対策」がないわけではありません。むしろ、この試合の中では早くもそれが見られました。

 

 1つはGKやSBまで使ってビルドアップすることです。ビクトルや福村は優れた足元の技術を持っており、パスを繋ぐことができます(前節からは野澤もいます)。だからCBとMFを抑えられても、彼らがビルドアップに参加すればいいのです。

 山形戦の場合、相手のSH(元シャドー)はこちらのインサイドハーフをマークしているので、SBに付くのは無理です。必ずSBが空きます。仮にSBにプレスしてきたら今度はインサイドハーフが空きます。空いている選手を見つけられればプレスをかわすことができます。

 実際に試合展開はその通りになりました。後半開始から15分間くらいは圧倒されたのですが、だんだん相手のプレスをかわせるようになっていきました。

 

もう1つの「再対策」は、一気に前線へとロングフィードを蹴ることです。相手が前からマンマークで来るということは、後ろの人数がカツカツになっているということです。そこにロングパスを出せば比較的簡単にチャンスを作れます。相手が少ないということはスペースがあるということですから、スピードに優れた選手が特に活きるでしょう。

 これも実際に成功していたと思います。相手が前がかりになったところで古橋と大本に蹴れば、すぐにビッグチャンスが作れる状態でした。そこで2点目が取れていればまず間違いなく勝てたでしょう。古橋には決めてほしかったところですね。

 

 そう思われるということは、古橋がエースになりつつあるということです。「新人なのに凄いね」と褒められる段階は終わり、そろそろ「決めてくれないと困るよ」という段階に入ろうとしています。是非ともこの段階を越えてもう一皮剥けてほしいものです。

 

 さて、そんなわけで山形はマンマークプレスで来た訳ですが、岐阜がそれに「してやられた」というわけではありません。むしろ試合中にきちんと修正できていたのです。少なくとも私にはそう見えました。選手たちの修正能力を褒めたくなります。

 しかし流れというのはよく分からないもので、「相手のやり方に慣れてきたな」という時間になぜか失点してしまいました。これがサッカーの怖さということでしょうか。

 

ハーフスペースを突く攻撃の実例

 失点シーンはまずサイドチェンジで右サイドを破られることから始まります。「野澤はあまりオーバーラップしないから守備は安定する」なんて言っていましたが、流石に1試合の中に何度かミスはあるということでしょうか。この時の野澤は簡単に後方へパスを通されてしまいました。

 次に、野澤をカバーするために田森が右サイドに出て行きます。これで中央を守るのが阿部1人になってしまいますが、すぐに逆サイドから福村が絞り、さらに庄司が戻ってきたので、ゴール前の枚数は足りていました。また田森は一旦相手のクロスをカットすることに成功したので、出て行くという判断が間違いだったとも言えません。

 問題は、右サイドにいた2人(野澤・田森)と中央にいた3人(阿部・庄司・福村)の間に隙間ができていたことです。山形の中村にそのスペースへと入り込まれ、同点のシュートを叩きこまれてしまいます。

 どうすべきだったのか、誰が隙間を埋めるべきだったのか、ということは分かりません。正解はないと思います。一番簡単なのは、ゴール前を守っていた阿部・庄司・福村の誰かが出て行って埋めることです*1。しかしペナルティエリア内に山形の選手が2人いたので、そこを2対2にすることはできないのかもしれません。

 また、シシーニョは直前に右サイドに流れてプレーしていたため、近くにいました。できれば彼に埋めてほしかったところですが…まあ結果を知っている者の戯言かもしれません*2

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(この図はあくまで模式的なもので、選手の厳密な位置とは異なります)

 

 そんなわけで「中央と右サイドとの隙間」を使われたわけですが、これは過去の記事で触れた「ハーフスペース」ですね。簡単におさらいしておくと、ハーフスペースとは「ピッチを縦に5分割した時の外から2番目のレーン」、あるいは人を基準にするなら「CBとSBの間のスペース」のことです。

(フリーハンドの適当な図)

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このスペースが現代サッカーの中で注目されています。なぜかと言えば、中央のレーンよりも相手のプレッシャーを受けにくく、なおかつ大外のレーンよりも直接ゴールを狙いやすい場所だからです。

 山形戦の失点シーンを見直すと、何だかハーフスペースの重要性を教えてもらったような気になります。授業料として勝ち点2を払ったと思えばいいのでしょうか。

 岐阜が攻撃する時にも上手くそこを突いていってほしいですね。今はパウロがカットインする時か、永島がシュートを撃ちに行く時くらいしかハーフスペースを使っていないと思います。あとはド真ん中で跳ね返されるか、大外に人数かけて詰まるか、って感じですよね(それでも得点は十分に取れているんですが)。

 

 この辺で一旦終わります。「嬉しい話は後に取っておく」と言いましたが、それは次の記事に回します(笑)。ご期待ください。

 

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*1:阿部はゴール前にいるべきだと思いますし、福村が反対サイドまで行くということは流石に考えにくいので、行くなら庄司でしょうか。

*2:右サイドに流れてというか、よく見直したら危機を察してダッシュで右サイドまで来てたんですね。それでさらに危険なスペースに気づけと言うのは酷かもしれません。