BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

【感想】J2熱狂読本

 

 

諸行無常の響きあり

 これは2015年に刊行された本です。だからJ2の「最新の話題」を扱っているわけではありません。これからJ2のファンになろうという人が読んでも役には立たないでしょう。

 しかし、つまらない本というわけでもありませんでした。むしろ「えっ、この人このチームにいたの?」「たった2年でこんなに変わるんだ」と驚きながら楽しむことができました(笑)。

 

 サッカー界とは、本当に移り変わりが激しい所です。 監督も選手もどんどん入れ替わっていくし、J2には「いつまでも強いチーム」なんてありません(本当に強かったら昇格しますしね)。

 例えば金沢の快進撃が特集されたページを読むと、遠い昔のできごとのように感じます。それに栃木や北九州はいなくなってしまいましたし、山口や名古屋の名前はまだありません。有為転変、諸行無常ですね。

 

J1とJ2の違い 

 この本には監督や選手のインタビューがたくさん収録されているのですが、興味深いことに多くの人が「J2ならではの難しさ」を語っています。

 特に皆が口を揃えるのは「J2のサッカーは必死だ」という点です。J2の方が運動量を求められるし、ボディコンタクトも激しいそうです。J1から来たあるFWは守備負担の重さに驚き、「ここでやって行けるんだろうか」と不安になったといいます。

 読んでいる私も別の意味で驚きました。J2からJ1に行った選手が「ここでやって行けるのか」と思うなら非常によく分かるのですが、逆の場合でもそんな表現を使うことがあるんですね。よく「J1から落ちてきたチームはJ2の戦い方を理解しないと上がれない」と聞きますけど、J2サポがいきがって言ってるだけじゃなかったんですね(笑)。

 

 「必死さ」とも関連しますが、「J2の選手は言うことを聞いてくれる」とも言われています。プライドを捨てて新しいやり方を受け入れられる、ということです。別の言い方をするならば、プライドを捨てなければ成功できない状態に追い込まれているわけです。

 だから走れと言われたら走るし、風変わりな戦術にも従います。今年の千葉のことか。うちもか? 監督としては采配の振るい甲斐があるリーグです。その代わりJ2の選手は高給のチームメイト(特に外国人)を見る目が厳しく、和を保つのが難しいそうです。

 

ガチとまったりなんて相対的

 それから面白かったのは、J3サポーターへのインタビューです。彼らによると、J3から見たJ2は「お客さんがたくさん入って、殺伐としている」のだそうです。我々がJ1に抱いているようなイメージですね(笑)。それに「J2にいる間は負けてばかりだったけど楽しかった」という発言もありました。これもJ1に上がってすぐまたJ2に逆戻りしてしまったクラブのサポが言うことに似ています。

 これらの言葉を見た時にはけっこう、目から鱗が落ちるような思いがしました。結局、応援が熱いとか熱くないとか、本気で勝ちを願ってるとか願ってないとか、そんなの相対的なものなんだ、と。

 だからサポーターのスタンスも本当に人それぞれでいいんじゃないかな、と思います。ひたすら勝ち試合を求めることだけが観戦の楽しみではありません。逆に「J2はJ1と違う。J2はアットホームであるべき。まったりと観戦するべき」という考え方も、行き過ぎれば楽しみ方の幅を狭めてしまいます。

 J3から見ればJ2だって勝利にこだわる場所なのだから、「J1サポは勝ちにこだわる、自分たちはアットホームな雰囲気にこだわる」と無理に線引きする必要もないのではないでしょうか。月並みな言い方ですが、色々な考え方を持つ人たちが共存できるスタジアムであればそれでいいのだと思います。 

 

J2熱狂読本

J2熱狂読本