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BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

【感想】フットボリスタ2017年6月号

 「専門誌を買う人ってめんどくさそう」とか言ってたくせに、また別の専門誌を買ってしまいました(笑)。今度は『フットボリスタ』です。テーマは欧州サッカーの2016-17シーズンにおける「5つの戦術トレンド」。


トレンドができるまでを辿ってみると

 「5つのトレンド」を列挙する前に、「それらがなぜ生まれてきたか」ということを私なりに整理しておきたいと思います。
 背景には、ゲームの局面をより細かく分けて考えるようになった、という戦術上の変化があります。よく「サッカーには4つの局面がある」と言われますね。攻撃、攻→守への切り替え(ネガティブ・トランジション)、守備、守→攻への切り替え(ポジティブ・トランジション)の4つです。攻撃をさらに「自陣でのビルドアップ」と「敵陣でフィニッシュに至るまで」に分けて考えることもできますし、守備も「敵陣でのハイプレス」*1と「自陣でのブロック守備」に分けられます。
 このように戦術が複雑化し、局面をより細かく分けて考えることが主流になるにつれて、局面ごとに違ったフォーメーションを採るチームが増えてきます。これが5つのトレンドの筆頭に挙げられている「可変システム」です。
 攻撃時と守備時でフォーメーションを変化させるようになったとして、では攻撃時にはどのようなフォーメーションが流行っているのでしょうか。現在のトレンドは「5レーン理論」に基づく5トップ気味の布陣です。そうするとどうしても中盤に人が足りなくなるので、「中盤の空洞化」というトレンドも同時に発生します(空いた中盤にサイドバックが入ってきてMF役になるやり方もあります。岐阜の福村もよくやっていますね)。
 守備時にどんなフォーメーションが流行っているのかというと、何か特定の布陣が流行っているわけではないようです。しかし「動き方」のトレンドとしては、90分積極的にプレスをかけ続けようとする「パワーフットボールと、ゾーンディフェンスにマンツーマンの要素を取り入れた「進化型マンツーマン」が注目されています。
 というわけで、5つのトレンドはこんな風にツリーにすることができると思います。

  • 可変システム
    • 5レーン理論+中盤の空洞化
    • パワーフットボール+進化型マンツーマン


本当に新しいのか?

 ここで素朴な疑問が浮かびます。上に私がまとめたような話は本当に新しいのでしょうか?
 少なくともJリーグファンにとってはどこかで聞いたことがある話のはずです。例えば「可変システム」「5レーン理論(攻撃時の5トップ)」「中盤の空洞化」ってこれ全部「ミシャ式」の特徴ですよね*2ほとんど故郷のクラブしか観てない私でも知ってますよ。
 それに90分プレスするという「パワーフットボール」に当たるものは、大木武さんがコーチだった時の日本代表がやろうとしてましたし*3、いまのFC岐阜でもやってます。
 私は別に「Jリーグの戦術って実は世界を先取りしてたんだ!!!日本すげえ!!!うおおおおおお!!!!!」なんて言うつもりはありません。本誌中で西部謙司さんが言っているように、どっちがどっちを真似したという話ではないと思うからです。それに、世界のサッカーが物凄い速さで進歩しているから日本がなかなか追いつけない、というのは事実だと思います。ミシャ式の5トップだって、おそらくペップの「5レーン」ほど理論的に洗練されていないでしょうし。岐阜のプレッシングもそうでしょう。
 でも、普段「Jリーグはレベルが低い」とか言ってバカにしてる人が「これが欧州様の最新の理論でございまする〜」と有難がって読むのだとしたら、何か可哀想だなぁ、と思います。まぁ、そんな人いないかもしれませんけど。

(本誌の内容にケチをつけているわけではありません。記事自体はどれも面白かったです。念のため)


 この辺で一旦終わります。余裕があれば「5レーン理論」を今年のFC岐阜に当てはめたらどうなるかとか、「パワーフットボール」とどこが同じでどこが違うかなどを考えてみたいと思います。

月刊フットボリスタ 2017年6月号

月刊フットボリスタ 2017年6月号

*1:これはすぐに始めるならネガトラの局面に含まれるのでしょうが。

*2:本誌の中でもミシャ式に触れてはいますが。

*3:その時期はあまり勝てなかったのですが…。