BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

【感想】フットボール批評 ISSUE16

 ただいま絶賛発売中です。大木監督のインタビューも載っているということで、買ってみました。

 正直、いままでサッカーに限らず「専門誌」って買ったことがなかったし、音楽雑誌とか映画雑誌とか買う種類の人たちが苦手だったというか、「そういう人たちってこじらせててめんどくさいんでしょ?」とか思っていたんですが…(笑)。まさか自分が買う側になるとは想像もしませんでした。つい数ヶ月前までの私からは考えられません。人生、どこでどう変わるか分からないものですね。

 以下、印象に残った記事をいくつか挙げてみます。

 

大木武インタビュー(+坪井健太郎の記事)

 目当ての記事はこれです。まだシーズン中ですし、あんまり長々と書くのはやめておきますが、個人的なポイントは「やっぱり"パスサッカー"とはひとことも言ってないよなぁ」ということですかね。

 印象に残ったのは、攻撃時に「背中を取る」というフレーズです。京都時代のチームと違うのは「背中を取りに行く」回数が多いことだ、と。それにインタビューの最後の方の言葉(こうしたら日本が世界を上回れるだろうなと思っていたことを、いまでは世界の方もやるようになっちゃった。云々)を合わせて考えると、別に「遅攻」を志向しているわけではないという気がします。

 坪井健太郎さんの戦術分析の記事も興味深いです。これは別に岐阜を分析したものではなく、坪井さんがJ1の試合を分析した記事ですが、大木監督のインタビューと合わせて読むと色々と考えさせられます。

 曰くJリーグの攻撃には「フィールドの深さを作る動き」が少ないとのことです。深さを作る動きとはつまり、相手のラインを越えようという動きのことです*1また坪井さんは、「海外ではビルドアップで相手のプレスをかわした後に一気にロングフィードすることが増えてきた」*2とも言っています。

 大木監督が言う「相手の背中を取る」と坪井さんが言う「深さを作る」は符合するでしょうし、「最終ラインで相手のプレスをかわせたらもうロングフィードすればいいじゃないか」という考え方も、最後の方の大木監督の言葉(「日本対世界」の戦術だと思っていたことがもう通用しないかも云々)や青木のCB起用に通じる気がするのですが、はてさて。

 

林彰洋インタビュー

 いままでGKに関する知識をあまり持っていなかったからというのもありますが、この記事が一番面白かったです。FC岐阜の川原GKコーチへのインタビューは個人的にはそんなに面白くなかった(ぉぃ)。

 特に面白かったのは駆け引きの部分です。敢えてコースを1つ開けておくことが相手の選択肢を制限することもある、とか。右にも左にも跳べるような体勢を整えてしまうと、かえって「相手が右に撃つか左に撃つか分からない」状態になってしまう、とか。なるほどなぁ〜という感じです。

 あとは「日本のCBのポジショニング修正はかなり緻密だ」という話も興味深いですね。よく日本のCBはレベルが低いと聞くので、ちょっと意外な気がします(別に何度も修正するからってレベルが高いわけじゃない、ということなんですかね)。

 林選手がプレーしたことのあるイングランドやベルギーよりも、JリーグのCBの方が細かなポジショニング修正に応じてくれるそうです。それは母国語が通じるからじゃないの?という気もしますが…。

 

風間八宏インタビュー「止める」の教科書

 あまり興味はなかったんですが、めちゃくちゃ面白いと思いました。いままでのサッカー用語で「トラップ」と言われていた行為を再定義しています。要点は

 

  1. でなく点で止める
  2. 「止める」の定義をチームで共有する

 

 なのですが、1.について書くのはやめておきます。素人の私が言葉で説明しても、かえって誤解を撒き散らすだけになると思いますから。宣伝するわけではないですが、是非とも本誌を買って読んでみてください。

 特に感銘を受けたのは2.ですね。定義の共有なんてすることに何の意味があるのかと言うと、

 

  • 「いまはボールが止まっている時間だ」という意思統一ができる。
  • だからその瞬間にみんなが周りを見ることができる。文字通り「同じ絵」をみんなで見ることができる。
  • だからチームワークが生まれるし、戦術理解が進む。
  • いつ周りを見るかが選手間でバラバラだったら(みんなで「同じ絵」を見られなかったら)、そもそも戦術論なんて成り立たないじゃないか。

 

 ……私なりにまとめるとこんな感じです。いやー、本当に目からウロコが落ちましたね。「連携の成熟」という曖昧な概念、あるいは「技術がないと戦術は成り立たない」という抽象的議論ごっこが、自分の頭の中で一気にクリアになった感じです。これは風間理論に熱心な信奉者がいるのも分かります。

 

終わりに

 大木監督が泣かせることを仰っているので、引用しておきます。

岐阜にFC岐阜あり、と。"鵜飼しかないけど""白川郷しかないけど"と言っている岐阜のひとが、"FC岐阜がありますよ"と言ってくれるようにすることが、私がここにいるひとつの使命じゃないかという気がします。

 感動した(;_;)

 もう、100点ですね。なんでこんなに分かっているんだろう、という感じです。

 これはずっと岐阜にいる人には逆に分からないのかもしれませんが、岐阜にはそんなにはっきりしたシンボルがありません。面積が広いせいもあって東西南北で意識がバラバラです。

 讃岐さんのクラブ紹介に「うどんをシンボルにできるなんて羨ましい」と書きましたが、あれは2%くらい皮肉ですが残り98%は本音です。

 群馬さんの公式HPに「群馬県は日本の中央にある」と書いてあるだけで突っかかりましたが、それは岐阜県の特徴と思えるものが「日本の中央」くらいしかないからです。

 ない、いや「なかった」のだ。もうすぐ「なかった」になる。シーズンが終わる頃には「FC岐阜がある」と言えるようになる。きっと、きっと……(;_;)

 

フットボール批評issue16

フットボール批評issue16

 

*1:ラインを越える動きとは、最終ラインを越える、いわゆる「裏を取る」動きに限りません。自分の前にある相手のラインを越えた場所でボールを受けようとすれば、それが「深さを作る動き」になります。

*2:後で見直して気づいたのですが、このトレンドはフットボリスタ6月号でいうところの「中盤空洞化」ですね。