BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

J2第7節(水戸ホーリーホック戦)プレビューその2 〜フットボールラボを活用してみよう〜

 開幕から6試合を消化し、各チームのデータも少しずつ積み重なってきました。データというものは1試合分や2試合分では役に立ちません。一定の分量がないと、そこから「傾向」を読み取ることができないからです。しかし、6試合分あれば何とか大雑把に傾向を掴むことも可能でしょう。というわけで、毎度おなじみフットボールラボを参考に、FC岐阜水戸ホーリーホックの特徴を探ってみましょう。


FC岐阜

攻撃馬鹿が泣いて喜ぶ

 FC岐阜の第一の特徴は、何と言っても攻撃面のスタッツが高いことです。というか、それ以外に特徴はないかもしれません(笑)。京都サポの京右衛門さん*1ツイッターで「攻撃馬鹿が泣いて喜ぶ大木サッカー健在」と言っておられましたが、本当にそんな感じです。
 具体的には、パス数・ドリブル数・30mライン進入回数・ボール支配率の4つの数字がリーグトップです。以下に表としてまとめてみます。なお「総数」ではなく「1試合あたり」の数字です。

パス ドリブル 30mライン進入 支配率
岐阜 757.5 16.8 62.7 65.4%
J2平均 442.0 11.1 37.2 50.0%

 というわけで、だいたいリーグ平均の1.5倍から2倍程度の数字を記録しています。特にパス数はJ1でトップの浦和レッズをも大きく引き離しており、まさしく日本一です。

でも点が取れない

 じゃあ岐阜は「攻撃力がある」チームなのかというと、そうとも言えません。総得点は5点で、リーグ15位。絶望的なレベルではないものの、得点が不足しています。言葉遊びのようですが、現状の岐阜は非常に攻撃ではあっても攻撃があるチームではないと言うべきでしょう*2
 なぜ得点が少ないのでしょうか。30mラインに進入した回数がリーグ一なので、「ただ後ろでボールを回しているだけ」という批判は当たらないと思います。ボールは前に進んでいるんです。それでも得点が少ないのは、(当たり前と言えば当たり前のことですが)シュートで終わることが少ないからです。
 シュート数は12位、枠内シュート数は17位となっています。ボール保持に関するスタッツが圧倒的なのに、この数字は少し寂しいですね。「積極的にシュートを撃て」なんて精神論を言うつもりはありませんが、やはりもうちょっとシュートに至れるパターンを増やしたいところです。


もう少し具体的に考えると

 30mライン進入回数を稼いでいるのは具体的にどの選手なのでしょうか。そこまでは記載がないので分かりませんが、おそらくサイドアタッカーたちでしょう。つまり田中パウロ、古橋、大本です。実際に試合を観ていても、彼らにサイドの深い位置でボールを持たせるところまではしょっちゅう成功しています(逆に中央からゴールに迫っていくような場面はあまり目にしません)。
 パウロらが敵陣深くまで進んだ後はカットインからシュートするか、クロスを上げるかを選択することになるのですが、大体いつもカットインを選択しています。クロスを上げようとしても、中央で待っている選手が少ないからですね。だから得意のドリブルで自らシュートを撃ちに行くしかなくなってしまうのです(パウロは単に周りが見えてないのかもしれないけど・笑)。
 それで相手DFを抜き去ってシュートを撃てればいいのですが、そう簡単に成功するものではありません。いくら個人技に優れたアタッカーであっても、「クロスは上げてこない。抜かれないようにだけすればいい」と読まれていれば、止められやすくなってしまいます。
 というわけで、毎回同じことを言いますが、長所を活かすためにも選択肢を増やさねばなりません。クロスからのシュートというパターンを追加すれば、相手DFはカットインだけを警戒すればよかった時よりも守りにくくなるはずです。相手に迷いが出ればこそ、サイドアタッカーたちが個人技を活かしてカットインを成功させる場面も増えるでしょう。最近は難波がクロスのターゲットを務めてくれるようになりましたが、あともう1人2人欲しいところです(逆サイドのSHと、あと中盤の誰か)。


水戸ホーリーホック

相手のパスを阻止する

 水戸のスタッツはパッと見だと目立ったところがないようです。岐阜のように「馬鹿が喜ぶ」ほどの尖った特徴はありません。
 その中でも比較的目立つのはインターセプト数で5位につけていることです。水戸の西ケ谷監督はハイプレス戦術を得意としているそうなので、その表れなのかもしれません。
 なおもう一つ目につくのは警告数の多さで、リーグ3位です。これだけだとどんな状況で警告を受けたのかは分かりませんが、プレスで激しくボールを奪いに行った結果なのかなぁ、などと憶測することができます。
 いずれにせよ、プレスやインターセプトが得意な水戸には苦労させられそうです。戦力を別にして相性だけで言えば、大木岐阜にとってはここまでで一、二を争う難敵かもしれませんね(でもまあ苦手暫定1位は松本だと思う)。


奪ったら速攻

 パス数で16位、ボール支配率で20位等、「ボールを持っている時」のスタッツは低めになっています。でも岐阜より点を取っているんです(7点。リーグ10位)。サッカーとは残酷なスポーツだね……(遠い目)
 ちなみにエルゴラの選手名鑑によると西ケ谷監督は「速守速攻」*3を目指しており、今季はそれに合ったスピードある選手を獲得したそうです。筆頭は前田大然ですね。点を取れているのはこの速攻が成功しているからでしょう。
 実際にシュート数は8位、クロス数も8位、30mライン進入回数が9位と悪くありません。ボール支配率が20位でもこれらの数字が高めになっているのは、「時間をかけずにゴールを目指す」という姿勢の表れではないでしょうか。大木岐阜とは正反対のスタイルと言えます。


最後に

 今シーズンの岐阜は大木監督好みの選手を揃えてきたと思いますが、水戸も西ケ谷監督好みの選手を獲れているようです。両チームとも「監督のやりたいこと」はそれなりに実現できているでしょう。明日は町田戦に続いて、相手のいいところを消すのではなく「いいところで殴り合う」展開となりそうです。
(後日追記:天候のことをまったく考慮していませんでした)


【関連記事】

*1:京都サンガのマッチレポートを熱心に書いておられるので有名な方(二条河原の楽書)。大木監督時代の京都についても多数の記事があります。

*2:逆に、例えばカウンターで点を取れるチームは「守備的」ではあっても「攻撃力がある」と評すべきでしょう。

*3:堅守速攻、ではない。「速守」。