BUHIXの日記

ニワカから成長しつつ、FC岐阜やJリーグの素晴らしさを伝えていきたいなと思います。

『サッカーの見方は1日で変えられる』を参考に今季のFC岐阜を評価してみると

 上掲書のレビューは1つ前の記事に書きました。この記事では、私が応援しているFC岐阜を「チームの良し悪しを判断する10のチェックポイント」に当てはめて評価してみましょう。

 評価段階は同書巻末の付録に倣って「◎、○、△、×」の4段階とします。また、各チェックポイントの名称は少しだけ変えてみました。著者の真意を歪めない範囲で、私なりに「こう言った方が伝わりやすいんじゃないかな?」という言い方にしてあります。

 ちなみに、その付録には刊行時点(2009〜2010年)の各国代表チームに対する著者の評価が載っています。同書をお持ちの方は見比べてみてほしいのですが、当時の日本代表に対する著者の評価は、この記事におけるFC岐阜への評価と非常によく似たものになります(笑)。大木監督が日本代表コーチを務めていた時期であり、代表が大木流サッカーを取り入れようとしていたからですね*1

 

ボール保持者の周りでアクション:△

 アクションとは具体的に言うと「パスコースを増やす動き」のことです。その代表として「ボール保持者を追い越す動き」がよく挙げられます。

 岐阜の中盤では結構「ボール保持者を追い越す動き」も見られるのですが、アタッキングサードに入ってからそれが出来ません。△とします。

 

クロスに飛び込む人数:×

 これはただのペケじゃなくて、×××くらいですね。クロスに備えている選手、飛び込む選手が少なすぎます。前節に難波がスタメンで出て「クロスも選択肢に入るぞ」というところを見せてくれましたが。

 

FWからDFまでのコンパクトネス:○

 今年の岐阜は、ボールを奪われた時に素早く奪い返すことを目指しています。そのため攻撃時でも守備時でもFWから最終ラインまでがコンパクトです。

 それで勝てるのか、プレスするスタミナはもつのか、ということは別にして「コンパクトになっているか否か」だけを見れば、なっているのではないでしょうか…?(ちょっと自信がない)

 

バイタルエリアを空けない:×

 結構空いています。横浜FC戦ではそれが原因となり決勝点を奪われてしまいました。東京V戦の失点も「相手がゴールを射程距離に捉えているのに寄せられない」という意味では似たようなものかもしれません。

 

ボールの後ろに戻る:○

 「ボールの後ろに戻っているか否か」だけを言えば、戻っていると思います。先述の通り「ボールはすぐ奪い返す」を方針としているためです。少なくともスタミナが残っているうちはちゃんとボールの後ろに戻れています。

 

守備は狭く、攻撃は広く:△

 大木式サッカーは「守備は狭く、攻撃も狭い」という感じです。○と×の間を取って△にします。

 攻撃ではウィングを使って横幅一杯に攻めることもありますが、なかなかサイドを崩しきれませんね*2

 守備時に狭くなるのはいいけど、今の岐阜は狭すぎるくらいかもしれません。ボール付近に選手が寄りすぎて、サイドチェンジに弱そうです。本当は△じゃなくて×にすべきなのかも。

 

攻撃時に2秒以内でプレー:×

 △かなとも思いましたが、×にしました。たまにワンタッチでメチャクチャ速くパスを回していることもありますが、それはあまり相手のプレッシャーを受けない位置での話ですからね。

 全体的に見ると、パスに時間がかかって相手にブロックを作られてしまう場面の方が目立つと思います。だから×とします。

 

ボールを使った「休憩」:×

 攻撃に緩急をつけられるか、休むためのボール回しが出来ているか、ということです。

 今年の岐阜は沢山のパスを繋いで攻めています。一見するとまさに「休むためのボール回し」をやっているようです。しかし、それでも後半にスタミナ切れを起こしています。あのパスワークに「休憩」の効果があるかは疑問です*3

 敢えて厳しいことを言うと、「休むためにゆっくり回している」のではなくて、「次のパスの判断が遅いからゆっくりとしか回らない」のでしょうね。

 

縦パスを通す:△

 横パスやバックパスが多いので目立ちませんが、たまには効果的な縦パスが出ています。

 縦パスの出し手は何と言っても庄司ですね。パスセンスがあるんだな、というのは見ていて分かります。単純に彼の能力を評価するだけなら◎にしたいところですが、まだゴールに繋がっていないという結果を踏まえて△としました。

 

相手が背走するところを攻める:×

 背走しながらの、つまり「ゴール方向に戻りながら」の守備は難易度が高くなります。全力でダッシュしつつ敵・味方・ボールの位置をチェックするのは至難の技だからです。よって、攻撃側から見れば「相手がゴール方向に走っている間にシュートまで行けるかどうか」が大事になります。

 今年の岐阜は、この部分がはっきり言って×です。ただの×ではなく、×××××くらいです。相手チームはいつもこちらに正対した状態で守備をしています(笑)。こちらがパスを繋ごうとしている間に、相手は敵陣に戻り切っているのです。なかなか背走しているうちに仕留められません。

 

というわけで、あまり芳しい評価ではないけれど

 何だか散々な評価を下しているなと思われるかもしれませんが、私は別に今年の岐阜を貶しているわけではありません。ただ「この本に書いてある方法で贔屓チームを評価したらどうなるのかな?」と、ごく素朴に考えただけです。本当ですよ(笑)。

 最後に2つの観点から大木岐阜を擁護しておくことにします。

 

1. チームはまだ発展途上である

 チームが本格的に始動したのは年が明けてからです。まだ3ヶ月ほどしか経過していません。その短期間で現在のパフォーマンスが発揮できるようになったのだと考えれば、むしろチームの進歩は速い方だと言えます。

 よって今後チームが成熟してくれば、さらに強くなる可能性はあります。まあ私も「パスサッカーでバンバンが点が取れるようになるんだ」なんてノー天気な期待はしていませんが*4、残留争いを脱してJ2中位に食い込むことは夢物語でもない思います(欲を言えば、監督が目標に掲げた一桁順位まで行ってほしい)。

 そして、それだけでも快挙です。例えば15位になるだけでも、FC岐阜にとっては「近年にない好成績」なのです。

 

2. 「○×式評価」は尖ったチームに馴染まない

 そもそも『サッカーの見方は1日で変えられる』は、「チームを○×方式で簡便に評価する」というコンセプトで書かれた本です。

 そのような一律型の評価では、変わったチーム・変わった戦術を正しく評価できません。長所と短所がはっきりした一芸特化型チームの評価は、全項目がそこそこにできるチームの評価よりも見栄えが悪くなってしまいます。

 大木監督が作るチームは当然、一芸特化型のチームです。チェックリスト方式で評価すると穴が多くなって見栄えが悪いのは、仕方のないことだと思います。

 だからと言って穴の多いチームが必ず弱いとは限りません。まあ岐阜は今のところ勝ててないんだけど……。自分たちよりもバランスの良い(×や△が少ない)チームに勝つことだってあるでしょうし、最終的な順位が上になることもあるでしょう。先ほども言った通り、個人的には中位進出までなら十分有り得ると思っています。

 

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*1:なお、その時期の日本代表はあまり対外試合に勝てませんでした。

*2:その後、古橋・パウロ・山田らウィング陣から多くの得点が生まれています。特に古橋。

*3:その後、第9節の讃岐戦あたりから相手に走り勝てるようになってきました。

*4:その後、本当に点が取れるようになりました! 第16節終了時点で総得点リーグ2位タイです。2017.06.03