BUHIXの日記

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【感想】サッカーの見方は1日で変えられる

 

 この記事は以下の本のレビューです。 

サッカーの見方は1日で変えられる

サッカーの見方は1日で変えられる

 

 

 

最初に総評を言うと 

 この本がいい本か否かと問われたら、私はいい本だ」と答えます

少なくとも読んで害になることはないと思います。
 難易度はかなり低めです。「自分には難しいかも。読んでも分からないかも」という心配はまず要らないでしょう。サッカーに興味を持ち始めたけど、他の人が何を基準に評価してるのか分からないや」という方には是非お薦めしたいと思います(この記事を書いている私自身も、本書の読者層に含まれているかもしれません)。

 反面、観戦歴の長い方や知識の豊富な方にとっては、知っていることばかり書いてある本となります。同じクラブを1シーズン以上継続して応援したことがある方ならば、おそらく読む必要はありません。

 本当に初歩的なことを説明した本です。でもそういう易しい本が日本のサッカー観戦環境にはまだまだ足りない、と私は考えます。興味はあるけど何も分からないという人を「少しだけサッカーが分かる人」にするためにはどうしたらいいのか。自分の経験*1から言っても、その段階の手引きがもっと必要である気がします。

 

構成上の特徴

 出発点には、チェックポイントを用意して⚪︎×方式で評価するいうコンセプトがあるようです。サッカーは複雑なスポーツだからそんなに単純な評価方式は馴染まない、という見方もあるでしょうが(著者も企画段階ではそう思ったそうです)、敢えてそれに挑戦したことが本書の特徴でしょう。

 著者はまず観点を「チーム」「個人」「監督」の3つに分けます。そして各観点ごとに、良し悪しを見分けるためのチェックポイントを紹介しています。

 例えばチームの良し悪しをチェックするポイントとして「ボールが前に進んでいるか」「ボール保持者を追い越す選手がいるか」等が挙げられています。これを見ても分かる通り、初心者向けにイロハのイから解説した本です。

 先ほどの繰り返しになりますが、サッカーに興味を持ち始めてくれた方への取っ掛かりとしては、このような本もアリだと思います。初心者が欲しているのは高尚な議論ではありません。「自分が応援するチームはいいサッカーをしているのかな? していないならどこが悪いのかな?」という素朴な疑問に答えてくれる、簡便なモノサシなのです。

  

注意すべき点

 主に以下の2点だと思います。

 

1. 90分間100%実行できるチームはない

 例えば「攻撃時にボールを追い越す」と「守備時にボールより後方に戻る」という2つの原則を、90分間の全ての局面で実行できるチームがあるのでしょうか。おそらく人間の体力では不可能だと思います。

 もう1つ例を挙げると、「ボールを常に縦に動かせるチーム」などありません。ボールを取られそうになったら横にもパスするし、バックパスで組み立て直すこともあります。いい場所に縦パスが通ればチャンスになりますが、試合中に何回も成功するものではありません。これについては著者も注意を促しており、「難易度が高いからこそ縦パスが通せる選手は貴重なのだ」と言っています。

 要するに、原則を「常に」「全て」実行できるチームなどないということです。本当に100%実行できるならば選手の能力がメチャクチャ高いということになります。そんなに選手たちの能力が高いならば、そもそも戦術(原則)など関係なしに勝負が決まってしまうでしょう。ナンセンスです。

 

2. 古くなっている部分もある

 例えば、3バックはマンマークを基本にしていてスイーパーが1人余る…というような説明は、今日では古くなっていると思います。世界のトップレベルではほとんど4バックが採用されている、というのも刊行当時の話です。

 その他「日本ではまだまだこのようなプレーができる選手が少なく…」とか「バルセロナが最先端」というような記述も、現在にまで当てはまるか分からないので注意が必要でしょう。

 

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*1:周りにサッカー好きがおらず質問できない、ネットで詳しそうな人に質問しても無視される、等々。