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BUHIXの日記

FC岐阜のレビューをしつつ、ニワカから成長していきます。

今季の注目選手2

庄司悦大

 レノファ山口から加入した新戦力。名前の読みは「よしひろ」。私は生で彼のプレーを見たことはないが、というかニワカなので映像でも見たことないが(笑)*1、良い補強のようである。いや、今季の岐阜の目玉と言っていいようである。

どんな選手?

 特徴は何と言ってもパスによるゲームメイク能力だ(お前プレーを見てないって言ったじゃん)。なおこの場合のゲームメイクとは単純に「パスを沢山出す。司令塔の役割をする」というくらいの意味で言っている*2。以下、その根拠を見ていこう。

チャンス構築でリーグトップ

 フットボールラボによると、庄司は2016年シーズンに最も多くのCBPを積み重ねた選手である。
庄司悦大 2016 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
 CBPとは「チャンスビルディングポイント」の略で、簡単に言うと「シュートで終わる攻撃にどれだけ関与したか」という指標だ。
 指標とは解釈に気をつけなければいけないものであるが、庄司のようにセンターハーフボランチと言われる選手のCBPは「どれだけ攻撃の起点になったか」を表す数字と考えてもまあ間違いはないだろう。また、ボランチディフェンダーのCBPが高めに出るチームは、いわゆる「パスを繋いでビルドアップする」方針を採っているものと推測できる。

リーグ屈指の司令塔

 さて、庄司はその数字がチームトップどころかリーグトップだったわけだ。上述の通り彼はCH又はボランチだから、「2016年のJ2において攻撃の起点になる能力が一番高かった」と考えることができる*3。凄い!
 …だが、本当にそうなのだろうか。確かめるために、「そもそもなぜそこまで高い数字が出たのか」に立ち返って考えてみよう。可能性は2つある。

  1. レノファ山口が攻撃的な(攻撃回数が多い)チームだったから。
  2. チームの攻撃の大部分が庄司を経由して成り立っていたから。

 ちょっと書き疲れてきたので 結論だけを言うと、どちらも正しいようである。ネットの海をちょっと漁れば、昨シーズンの山口が攻撃的なサッカーをしていたというマッチレポートを読める。ボール支配率、攻撃回数、チームCBP等のデータでも山口はリーグトップにつけていたことが分かる。また、その中心に庄司がいたという評判を聞くこともできる。
 庄司は攻撃的なチームの中にあって、常にその攻撃の起点になっていた。ということは、やはり「攻撃の起点になる能力が(リーグで一番)高かった」、つまりチームのみならずリーグをも代表する司令塔だった…と言えそうだ。
 なんで岐阜がそんな選手を獲れたんだろうな(笑)。やっぱり大木監督のおかげかな。

CBPの内訳——パスの名手

 フットボールラボでは各選手が記録したCBPの内訳まで見ることができる。庄司のそれを表にしてみると

合計 パス ドリブル クロス
133.20 132.37 0.07 0.76
1位 1位 395位 307位


となる*4。一番下の欄に書いてあるのはリーグ内順位だ。
 一目で分かる通り、庄司はそのCBPのほとんど全てをパスによって稼いでいる。割合を計算するのも馬鹿らしいが一応してみると、実に99.4%がパスによるものだ。ドリブルやクロスではほとんどCBPを稼いでいない。特にドリブルは苦手なようである(正確には「庄司のドリブルが最終的にシュートに繋がったケースは少ない」と言うべきであって、ドリブルが上手いか下手かは分からないのだが)。
 ともかく、このパスCBPの数値は圧倒的なものだ。2位以下を大きく引き離してぶっちぎりのトップである。2位のソウザ(セレッソ大阪)が83.09、3位の小池(山口)が80.16、4位の福満(山口)が79.71であり、庄司のそれは彼らの約1.5倍に当たる*5
 冒頭で「パスによるゲームメイク能力が特徴」と言ったことに、これで納得いただけたものと思う。

有名選手にたとえると

 ちなみにJ1には庄司と同じようなポジションでプレーし、同じようにリーグトップのCBPを記録した選手がいる。
 中村憲剛だ。
 CBPやプレースタイル指標などを見比べれば見比べるほど、庄司と中村は似ている(ただしシュート力や決定力は中村が大きく上回っている。よりレベルの高いJ1にいながらなお指標で勝っているのだから恐るべし)。また、所属チームである山口と川崎のスタイルも似ていたようだ。
中村憲剛 2016 選手データ | Football LAB ~サッカーをデータで楽しむ~
 岐阜に舞台を移しても「J2の憲剛」たる活躍を続けてほしいものである。

おわりに

 期待の高さを表すように、庄司は新加入選手にもかかわらず背番号10を背負った。さらに今季のキャプテンにも指名されている。大木監督は彼を中心に戦っていくと肚を決めているようだ。

*1:ググって出てきた大学時代のプレー動画は見た。やはりパスを散らすボランチという印象だった。

*2:他には「試合の流れを読むこと」「攻める時間帯と耐える時間帯を見極めること」もゲームメイカーの条件だと思う。ただ、それは今回扱う指標からは分からないことだ。

*3:厳密に言うと「起点になった回数が一番多い」であって、直接「能力の高さ」を測れているとは限らない。味方が優秀であるおかげで結果的に「庄司が起点になった回数」が増えている……という可能性もあるからだ。

*4:「合計」とした項目は、元のサイトでは「攻撃CBP」となっている。攻撃CBPとはパスCBP、ドリブルCBP、クロスCBPの合計を指す。本記事で単に「CBP」と呼んできたのは、実はこの攻撃CBPのことである。他にもシュートCBPやら守備CBPがあるのだが、面倒なので「CBP」と言えば攻撃CBPのことだと思って頂きたい。

*5:庄司以外にもパスCBPで3位、4位にランクインする選手がいるのだから、レノファはやはり攻撃的でパス志向のチームだったのだと分かる。